「どこがおもしろいん?」から考える、子供の好奇心を育てる親の役割

子供たちに

まず20秒ほどの動画をご覧ください。

「どこがおもしろいん?」

その一言で、その場の空気が少しだけ止まりました。

ロボット体験会での出来事です。

会場には、スイッチを入れるとゆっくり上へ登っていく「ロボベーター」というロボットを展示していました。

仕組みは簡単なのですが、初めて見る人は大人でも「えっ?どうなってるの?」と思わず見入ってしまいます。

子供たちも、

「なんで上がるの?」
「すごーい!」

と目を輝かせていました。

そんな中、一人の小学低学年の男の子が、ぽつりと言ったのです。

「どこがおもしろいん?」

もちろん、悪気があって言ったわけではありません。

好奇心は、自然に育つとは限らない

子供は何にでも興味を持つ。

そう思われがちですが、現場ではそうとも言い切れません。

未知のものを見ても無関心な子。

逆に、ほんの小さな変化にも目を輝かせる子。

その差は決して小さくありません。

私は長年、子供たちを見てきて、一つ感じていることがあります。

好奇心は、生まれつきだけで決まるものではない。

周りの大人との関わりの中で、大きく育っていくものなのです。


「ほら、見てごらん」の積み重ね

4歳頃になると、

「あれ?」
「なんで?」
「どうして?」

という気持ちが少しずつ芽生えてきます。

でも、その芽は放っておけば大きく育つとは限りません。

大人が、

「ほら、見てごらん。」

「きれいだね。」

「不思議だね。」

「どうしてだろうね。」

そんな言葉を添えることで、子供は初めて立ち止まり、見つめ、考え始めます。

好奇心とは、「発見する力」でもあります。

そして、その力は周囲の大人が育ててあげられるのです。


「経験への開放性」という考え方

心理学には「経験への開放性(Openness to Experience)」という考え方があります。

新しいことに興味を持ち、

未知のものを面白がり、

「やってみよう」と一歩踏み出せる心。

この特性は、創造性や知的好奇心とも深く関係していることが知られています。

だから私は、子供にたくさんの知識を与えること以上に、

「世界って面白いね。」

そう感じられる感性を育てたいと思っています。

知識は後からでも学べます。

でも、「知りたい」という気持ちは、大人との日々の関わりの中で育っていくものだからです。


私が親御さんに伝え続けたこと

教室では、保護者の方によくこんなお話をしていました。

「お母さんが『ほらっ!』と言っても、子供が振り返るのは100回に1回くらいですよ。」

すると皆さん笑われます。

私は続けます。

でも、あきらめないでください。挫けないでください。

「ほら、見てごらん。」

「ほら、○○ だよ。」

「ほら、不思議だね。」

「ほら、一緒にやってみよう。」

その99回は無駄ではありません。

100回目に振り返ったその瞬間が、その子の世界を大きく広げるかもしれないのです。


私たちが後世に残したいもの

前々回の記事、” 表情の少ない4歳の男の子が教えてくれた「できた!」の力 ” では、「何を後世に残せるか」について考えました。

知識。技術。経験。

もちろん、それらは大切です。

でも、それだけでは十分ではないと私は思います。

新しいものを面白いと思う心。

「なんだろう」と足を止める感性。

世界には、まだまだ知らないことがたくさんあると感じられる謙虚さ。

そんな心も、次の世代へ受け継いでいきたい。

それこそが、人から人へ伝えられる、かけがえのない財産ではないでしょうか。


まとめ

私は今でも、親御さんにこう言いたくなります。

「ほらっ!」

「ほらっ!」

「ほらっ!」

子供は99回、振り返らないかもしれません。

それでも構いません。

その一言が、100回目に子供の心を動かし、

「なんで?」

「やってみたい!」

そんな未来につながることがあります。

今日も、子供にたくさん「ほらっ!」と声をかけてあげてください。
子供の好奇心を育てる”ほら吹き”なら、大歓迎です。

その何気ない一言が、子供の好奇心を育て、やがて後世へ受け継がれていくのです。

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